【ELIONE × RYKEY】Manhattan Records(R) Exclusive INTERVIEW Pt.2

2018-05-31 19:00

INTERVIEW Pt.2が公開!

【ELIONE × RYKEY】Manhattan Records(R) Exclusive INTERVIEW
インタビュー全編テキストでも公開します!
ELIONE x RYKEYオフィシャル・インタビュー
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・ふたりが最初に知り合ったのはいつ、どのようなシチュエーションだったのか教えて下さい。
RYKEY「知り合ったのは確か、2014?15年ぐらいですね」
ELIONE「RYKEYのスタジオに僕が遊びに行って」
RYKEY「当時、原宿にスタジオがあって、そこで録ってたんですけど、共通の知り合い — SALUの友達の友達、みたいな感じでスタジオに来て。で、『ラップやってるんだ?俺もやってるんだよね』みたいな感じで『RECしようよ』みたいになって。そこから意気投合した感じですね」
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・お互いの第一印象はどんな感じだった?
RYKEY「『イケてんなー』って。スタジオに遊びに来る人はたくさんいたけど、その場でいきなり『RECしようぜ』って話になっても、その場でやらないで延び延びになっちゃうことがほとんどだったけど、ELIONEの場合は……」
ELIONE「『やろうぜ』ってなったらパッとやって。RYKEYがスタジオのコンソールの前に座って俺がヴォーカル・ブースに入ったら、RYKEYから『この部分、こうした方がいいんじゃない?』とかアドヴァイスしてくれて、それも的を射ていた。それが最初の出会いだったけど、最初から、それよりずっと前に知り合っていた地元の友達のような感覚でしたね」
RYKEY「(そこからは)連絡を取っては会って、フリースタイルして、ラップして、みたいな(笑)」
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・ふたりは同い歳ですけど、育った地元などのバックグラウンドやラップのスタイルもかなり異なる印象があります。それでもラッパー的にウマが合ったのは何故だと思いますか?
RYKEY「『ラップって何?』っていうところが、お互い同じだったというか。『ラップって何か?』っていう問いは、一番大事なことだと俺は思ってるんで。要は、飾らないで自分のありのままの生活を歌ってるようなラップ。そういうラップをELIONEもその場でやってきたんですよね」
ELIONE「RYKEYと一緒にラップをしたり、彼のラップを聴かせてもらったら、『あ、俺がずっとカッコ良いと思ってたラッパーと会えた!』みたいな感覚になりましたね。僕には僕のスタイルがあるけど、RYKEYのラップを聴くと自分が強くなった気持ちになるし、リリックが刺さるし、『うわー、メチャクチャ良いラッパーがいるな』というのが純粋な意見だったっすね。友達だから恥ずかしいけど(笑)」
RYKEY「嬉しいっす、純粋に。『ウマが合った』としか言いようがない。たくさん(知り合いの)ラッパーがいる中、ここまで合うこともなかなかないんで」
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・今回、同タイミングで二人のニュー・アルバムがManhattan Recordsからリリースされますね。RYKEY君の最新作「John Andersen」は、1年間の活動休止期間以前に完成していたアルバムのようですね。
RYKEY「以前からこのアルバムに対する周りの評判が良かったんですよね。『何で出さないの?もったいないよ』っていう声がものすごく多かった。自分も『絶対に出した方がいい』と思ってたという想いもシンクロしてこういう結果になったんじゃないかな?って」
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・アルバム・タイトルは「John Andersen」ですが、作品中には“John Carter”という人名?も頻繁に出て来ます。
RYKEY「John Carterっていうプロデューサーがいるんです。で、その人とKUTさんっていうプロデューサーと一緒に作りました。アルバム・タイトルに“Andersen”と付けたけど — ひとりひとりが持ってる“物語”ってあると思うんですけど、アンデルセン童話のような感じで自分が生きてる環境だったりについてラップして、俺のストーリーかもしれないですけど、聴いてくれた人たちが自分自身と重ね合わせて当てはまるようなことが絶対にあると思ったんです。自分は、アルバム制作段階から周りに聴かせるんですけど、そのときに『物語っぽくて良いね。昔を思い出すよ』っていう声がたくさんあったんですよね。そこから『コレ、なんかアンデルセンっぽいな』ってなって。だから、『ラップという形にしたストリートの童話』っていう感じですかね」
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・今作では「ストーリーを描きたい」という意識があったんですか?
RYKEY「1stアルバム『Pretty Jones』、2ndアルバム『Amon Katona』、EP『CHANGE THE WORLD』と出してきて今作があるんですけど、そのときそのときで心境は違うワケですよね。だけど、自分が信じてきた“芯の部分” — 自分はコアな日本語ラップ・ヘッズだし、そのクソヘッズな立場で聴いたときに、『こういうラップがあってもいいんじゃないかな?』って思ったんです。ラップって、何が正解/不正解とかはないと思ってるんです。いろんなスタイルがあるし、それぞれのスタイルに正解も不正解もない。誰かと似たようにやるのがその人にとっての正解かもしれないし、新しいモノを売り出そうとするのも、その人にとっての正解かもしれない。そういう意気込みで作ったのがこのアルバムなのかな?って」
ELIONE「『John Andersen』は、完成した時点で聴いてました。出来上がった頃にRYKEYの家に遊びに行ったら聴かせてもらって、『メッチャ面白い』って思いましたね。16小節のヴァースがあってサビが入って……みたいな一般的なラップの構成/ルールとかも無視してたりとか。サウンド的にも俺が好きなサンプリング・サウンドもあったから、『超良いね。いつ出すの?』ってなってましたね。RYKEYは、まずリリックが良いし、刺さるんですよね。歌い方からなのか、RYKEYの生活から出て来るモノなのかは分からないですけど、ラップ/リリックに感情があるし、俺がずっと好きだった海外のラッパーたちと同じようなモノを持ってるな、って。こないだも新曲を聴かせてくれたんですけど、それもやっぱりそういう感想でしたね(笑)」
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・ELIONE君の新作「UNCHAINED」も5月にリリースされます。1stアルバム「Distortion World」や2ndアルバム「NEONE」などは自主レーベルからのリリースでしたけど、今作がManhattan Recordsからリリースされることになった経緯/理由は?
ELIONE「RYKEYが以前からManhattan/Lexingtonでリリースしていたし、それこそSALU君もメジャー・デビュー前に所属していたレーベルだったから、いろんな人たちが繋いでくれて。個人的にもManhattan Recordsはお店に通ってレコードを買っていたヘッズなんで、こんな光栄なことはないな、って」
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・「UNCHAINED」というアルバム・タイトルについて説明して頂けますか?
ELIONE「僕はフリースタイルや即興で録るときは自分のことをすごい歌うんですけど、作品になるとワード・プレイだったりストーリーを歌ったりしてて。で、ふとしたときにRYKEYから『ONEさあ、次の作品はお前が思ってることを聴かせてよ。お前がどういう風に生きてきたか、っていうのを曲で聴きたいな』って言われたんです。RYKEYは憶えてるか分からないぐらい、咄嗟の会話だったんですけど、それを聞いて『確かに』と思って。確かに僕も、自分のことについて歌うことに対してはちょっとシャイだったというか。自分の人生 — 今年31歳になるんですけど — この歳で好きな音楽をやって好きに生きてるし、全部自分がやりたいことを選んで生きてきた人生なんで、『自分は何にも繋がれていないし、これからもそう生きていくぞ』っていう気持ちを歌ってますね」
RYKEY「こういう会話は、ちょいちょいしてるんですよね。お互い、パンチラインをもらう感覚で会話してるんで。そのときの自分の言葉を拾ってくれて、そういう風に思ってくれたんだったら、それ以上に嬉しいことはないですよね」
ELIONE「いつもの話なんですけど(笑)」
RYKEY「会話がね、どうしてもそういう話になっちゃう」
ELIONE「そうですね(笑)」
RYKEY「『何のために/どういう歌を歌えばいいのか?』みたいな話をしたり、歩いてたり車窓から見える風景を見ててポロッと出て来た言葉とかが『深いね、今の言葉』みたいになったりする」
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・ELIONE君は、活動初期からセルフ・プロデュースに拘って作品を作ってきましたよね。周りにトラック・メイカー/プロデューサーもいると思いますけど、トラック制作に至るまでトータルで作り上げるスタイルに拘る理由は?
ELIONE「リリックが持っている世界観とか感情とは別に、サウンドも世界観や感情を持っているんですよね。僕も尊敬するトラック・メイカーは何人もいるし、一緒にやりたいと思う人もいっぱいいるんですけど、僕が思うことや僕が表現できる世界をサウンドに至るまで自分で作れたら、一番僕が伝えたいことを伝えられるんじゃないかな?という考えが根本にある。今作も、何も考えないで自分でトラックから作っていきましたね。毎作、自分の中では新しいことに挑戦しているんですけど、今回は自分のことを歌ってみて。自分ひとりだけの狭い世界で音楽をずっとやっていって『自分がカッコ良いと思うモノを作ろう』というところから、『俺が好きなみんな(仲間)も好きになってくれる曲を作りたい』と思うようになりましたね。聴いてくれた仲間たちも『良いね』って言ってくれたんで、嬉しかったですね」
RYKEY「『最先端だなー』って、聴いて思いましたね。さっき話したことと同じようなことかもしれないけど、『ルールがない』というか、新しいことをやるのにも正解/不正解はないし、そんな音楽なんじゃないかな?って。例えば、ラップ中に歌ったりとか、昔はやってなかったよね?」
ELIONE「やってなかったね」
RYKEY「そういうところも変わってるし、昔のELIONEのラップと全然違う。だから、よりオリジナルな方向に作っていってるのかな?って」
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・「UNCHAINED」には、ふたりのコラボ曲“Woman”が収録されています。世に出た曲、という意味ではこの曲が初ですよね。ふたりの交流の長さを考えると意外にも感じられます。
RYKEY「初めてですね」
ELIONE「全部、タイミングですけどね。これまでも曲を作って遊んだりしてたし、自分の前作でRYKEYに参加してほしかった曲があったんですけど、彼が活動休止するタイミングだったんで」
RYKEY「今回の曲には、何か大きな意味を込めたかったんですよね」
ELIONE「そうだね」
RYKEY「ふとしたときに、女性への感謝についての話をしてたんですよね。そこから、『こういう曲もあっていいんじゃないか?』ってなって」
ELIONE「リリックを書いてるときにそういう話になったね。僕の部屋の壁には2PACの写真だけがずっと貼ってあるんですけど、『2PACには女性についての曲がいっぱいあるよね』っていう話もしてましたね。そこから、自分の母親だったり自分にとって大事な女性だったりについての話になって、そこからそのまま……」
RYKEY「何か、歌いたくなったんだよね。ビートの原型は1?2時間ぐらいで出来て、言いたいことを絞っていってからノートに書いて。何回も録っていきながら『ここはカッコ付ける必要ないんじゃない?純粋に言いたいことを言おうよ』ってなって。今回のレコーディングでは、あまり“技”を出してみたりとかはしなかったよね」
ELIONE「しなかった。そのまま、みたいな」
RYKEY「そのまま想いを……伝わらなきゃ歌って意味がないと思うし。(出来上がって)素晴らしい曲になったな、って」
ELIONE「ね」
RYKEY「聴いて泣いた人もいたし」
ELIONE「友達のラッパーとか、いろんな人に聴いてもらったんですけど、『良い音楽だね』って言ってもらえましたね」
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・“Woman”はMVも撮影したんですよね?
ELIONE「監督はHAVIT ART STUDIO。この映像にもいろんな人たちが協力してくれてて、今作の曲と同様、『人に届ける』ということを意識してます。僕はどちらかというと『自分にとってカッコ良ければいい』っていう思想で今まで音楽をやっていたんですけど、今回はManhattan Recordsからリリースさせてもらうということも含め、本当に多くの人たちに協力してもらったから、映像もより多くの人に観てもらって、何か伝わるといいな、ということを考えてますね」

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・お互い、それぞれのラッパーとしての動きを近くで見ていて感じることを教えて頂けますか?
RYKEY「自分は、ELIONEは良きライヴァルでもあると思ってるし、彼を見ていると意欲的に次から次へと作品を残そうという想いが強くて、『コレが“音楽家”だよな』って思わされますね」
ELIONE「RYKEYが声を吹き込むとヒップホップになるんですよね。新しい曲が出来るといつも聴かせてくれるんですけど、毎回聴くと『俺が好きなヒップホップってこういう感じだよな』って思わされる。あと、RYKEYは『やる』って言ったらやる男なんですよ。思ったことは全部言うし、考えてないフリでいて実は考えていることもあると思うけど、咄嗟に出て来る言葉が刺さる。そんな人間には他に出会ったことがない。これからも良きライヴァル/仲間として一緒にやれたらいいな、って思ってますね」
RYKEY「自分はELIONEのことを尊敬しているし、信頼してます。確実な耳を持ってる人だし」
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・最後に、リスナーへのメッセージをお願いします。
ELIONE「『UNCHAINED』では、自分のことをそのまま歌ってるんで、『クソ野郎だな』とか『こういうところはいいんじゃん?』とか、僕のことを面白がって聴いてくれたら嬉しいですね。今作には『ELIONEというのはこういう人間です』というのが詰まってると思うんで、今まで僕のことを聴いたことがない人にも聴いてほしいです。あと、RYKEYの作品は — 分かってる人も多いと思いますけど — 聴いたらハッとすることや感情が動くと思うんで、両方とも是非チェックしてほしいですね」
RYKEY「さっき言った通り、ラップには正解も不正解もないし、これからラップをやりたい人が『ラップって何なんだろう?』ってなったら『John Andersen』を聴いてほしい。今回は、ここから俺の音楽に入っていっても次に繋がるような音楽を作れたと思ってるんで。若い子たちにも聴いてもらいたいですね。『アレが良い/コレは悪い』っていうことは言っていいし、自分も相当なヘッズだから『アイツはダセェ/コイツはカッケェ』って思うことは当たり前。そんな感覚で自分のアルバムやELIONEのアルバムを聴いてくれれば、って」
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【Album info】
3rd ALBUM『UNCHAINED』
アーティスト:ELIONE (イーライワン)
タイトル:UNCHAINED (アンチェインド)
発売日:2018年5月16日(水)
価格:2,300円+税
品番:LEXCD18007
レーベル:Manhattan Recordings
Manhattan Records
iTunes
【Tracklist】
01. Unchained
02. Winner’s Circle feat. SALU & IO
03. Chosen One
04. Runway feat. JP THE WAVY
05. Good Time
06. Your Love
07. Blue Sky
08. Woman feat. RYKEY
09. The Joy
10. Seize The Day
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■商品詳細:
アーティスト:RYKEY (リッキー)
タイトル:John Andersen (ジョン・アンデルセン)
発売日:2018/4/25(水)
価格:2,000円+税
品番:LEXCD18003
Manhattan Records
■TRACKLIST
1.Hater ft. 田代まさし
2.See You Again
3.地下したのブルース ft. Scar haze
4.Turtle And Rabbit ft. 漢 a.k.a. GAMI
5.Tokyo
6.John Andersen ft. SALU
7.Tokyo Nigga ft. KNZZ & Pablo Blasta
8.All In My Hand ft. 秋田犬どぶ六
9.都の奇跡 ft. 鬼
10.Oasis
11.UFO
12.JENGA ft. Jin
13.Die Alone ft. O-Jee
14.ロシア海峡 ft. Chocolate Factory
15.Smoke G ft. Takuto
16.It’s A Crazy ft. SIMON